国際学会でのdiscussionで言葉の壁を痛感する事再三である。恐らくこの様な感をもたれる方も多いかと推定する。共通語として大体英語が使われるが、自国語ですいすいと好きな事をdiscussionしている人々をみると羨ましい。恐らくアジアで一番英語力の弱い国民は日本ではないかと思われる。折角いい研究成果を発表しても言葉の壁でdiscussionがうまく行かない為に損をすることも多いかと思われる。最近日本の若い人々の英語は随分上手になって来たとは思うが、それでも国際学会で日本人の英語は一般に余り上手でない事を痛感する。これは従来の我々の英語教育が読み書きに重点を置き過ぎて、話す事を軽視し過ぎた為であろう。単一民族からなる島国で、従来から日本中心の教育精神が強すぎて、生の英語をしゃべる機会がなく、また外国語の教育で英語圏からの生の英語をしゃべる英語教師に付くことが少なかった為でもあろう。
かって中国の瀋陽の中国医科大学では学生クラスの中に日本語クラスと英語クラスの二つがあって、講義もそれぞれの言葉のみで中国語は一切使わないで行われると聞いた事がある。そのクラスを卒業した若いドクターの日本語や英語が大変上手なのにも感心したものであった。
これからの世界の舞台では益々外国語殊に英語によるコミュニケーションが重視されるかと思われる。この問題は大学のみで解決されるものではない事は分かっているが、ともかく医科大学の講義に6年間を通じて正規のプログラムとして外国人教師による英語の会話(出来れば講義も)を必須科目として入れて会話力を高める事を提唱したい。大学院の入学試験でもこの成績を重視すべきではないかと思う。(名誉教授・皮膚科学)
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