ブレインメディカルリサーチセンター(BMRC)

関西医科大学は、新しい医学や医療ニーズに対応するため、 平成18年1月に枚方病院を開院して高度先進医療を提供するとともに新しい治療法の研究開発を推進しています。 研究開発では、「難病の革新的治療法の開発研究―骨髄内骨髄移植を用いた難病モデルでの検討―」 (事業推進担当者 池原 進教授 外18名)が平成15年度文部科学省「21世紀COEプログラム」に採択されました。 それに先立ち平成13年度より学術フロンティア推進事業の支援を受け、再生医学難病治療センターが開設され、 骨髄に含まれる多様な幹細胞の「再生能」を利用して白血病や自己免疫疾患などの難病に対し新しい治療法の開発研究を行い、 また、内耳や網膜などの感覚器の再生にも取り組み、着実に成果を上げてきました。
 平成18年度文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業の1つ、 学術フロンティア推進事業に「修復再生医学による神経系難治性疾患の治療に向けた横断的トランスレーショナル研究」が採択されました。 この5年間の事業を推進するために、平成18年度と19年度の2期工事で滝井キャンパス2号館6階にブレインメディカルリサーチセンター(BMRC)が設置され、 2号館には、生命現象の探求と疾患発症機序の解明と根本的治療の開発に関する研究を推進する目的で平成18年8月に改組された附属生命医学研究所、綜合研究施設 と動物センターがあり、関西医科大学の基礎部門と臨床部門が連携してトランスレーショナル研究を強力に推進する体制を構築しています。


事業概要

大学名:関西医科大学

研究組織名:ブレインメディカルリサーチセンター

研究プロジェクト名:修復再生医学による神経系難治性疾患の治療に向けた横断的トランスレーショナル研究

研究代表者名:伊藤誠二 (関西医科大学 医学研究科先端医療学専攻 教授)

研究組織:
本事業で、神経系疾患に関する基礎実験と臨床研究を行い、修復再生医学による新しい治療方法の開発・応用 のための横断的トランスレーショナル研究を推進するために、ブレインメディカルリサーチセンターが設置され、組織運営規則が制定されました。 ブレインメディカルリサーチセンターはセンター長、副センター長、教授会選出の委員4名で構成される運営会議で研究の進捗状況とその成果、予算執行、 研究用器具・装置の整備など年次計画を審議し、教授会と評議会・理事会に事業報告して承認を得ています。 ブレインメディカルリサーチセンターに基礎・社会医学系部門と臨床医学系部門があり、それぞれ機能系と形態系で組織されています。 同センターは基礎系6講座、臨床系8講座、附属生命医学研究所分子遺伝学部門、2共同研究機関でスタートしましたが、平成19年度に生理学第2、 附属生命医学研究所生体情報部門、モデル動物部門、平成22年に共同研究講座(大塚製薬株式会社)幹細胞異常症学が新たに加わり、 現在、事業推進者22名、各講座・部門に属する研究者・大学院生・PD・研究員の計98名で事業を推進しています。

附属生命医学研究所モデル動物部門ではモデル動物の飼育繁殖・動物実験の管理、SPF化、凍結卵保存などの支援、 共同研究講座では組織標本作製の支援、医化学講座ではモデル動物の組織標本、病理組織標本の質量顕微鏡による病因解析とトランスレーショナル研究の支援体制を 構築しています。ブレインメディカルリサーチセンターに関連するセミナーを随時開催し、参加事業者間の意志の疎通を図っています。




施設・研究装置・設備・研究費の支出状況:
《施設》
施設の名称 整備年度 研究施設
面積
事業経費 補助金額
ブレインメディカル
リサーチセンター
平成18年度 m2
165
千円
30,975
千円
15,487
平成19年度 197 37,065 315,752

滝井キャンパス2号館6階にブレインメディカルリサーチセンター(362m2)を設置しました。 工事は第1期を平成18年度、第2期を平成19年度の2年間で、第1期は共同利用施設の設置工事を平成18年11月に着工、翌年3月に完工し、工事面積は165m2でした。 第2期は平成19年度6月着工、同年10月に完工し工事面積は197m2で、臨床医学・機能系研究室、形態系研究室、モデル動物部門研究室、共同利用研究施設が設置されました。

共同利用研究施設には、脳、神経科学研究で必要な脳定位固定装置など手術機器、行動観察のための短期間動物飼育装置、行動実験の測定装置、初代培養のためのクリーンベンチ、 組織標本作製機器などが設置されています。


《装置・設備》
装置・設備の名称 整備年度 物品名 事業経費 補助金額
in vivo
イメージングシステム
平成18年度 リアルタイム in vivo
イメージングシステム
千円
44,995
千円
22,497
動物飼育システム
バイオハザード対策用
キャビネット

モデル動物部門は、本研究プロジェクトで使用される実験動物の飼育・繁殖だけでなく、 交配ミス、系統維持過程での遺伝子変異等からマウスを守るためのバックアップに有効な手段として、 マウス胚の凍結保存を行い、品質を管理すると共に、研究者に供給する事業と希少動物等の資源安全を図るための保管支援事業を行っています。 また、同施設で飼育・繁殖のために譲渡されたマウスをSPF化しています。 体外受精などの手法を用いて、凍結胚や精子を作製するとともに微生物検査、遺伝学的検査等の品質管理を行っています。
 このように、モデル動物部門の管理下に遺伝子操作マウスやモデル疾患動物の維持コストと飼育スペース削減や、飼育中の事故、微生物感染防止の措置がとられています。 実験が長期にわたる神経再生や移植実験では、子宮内遺伝子導入装置、神経系が選択的に光るマウスや発光現象あるいは蛍光物質を利用して標識した細胞を さまざまな経路から注入した後、リアルタイムにイメージングして追跡できるin vivoイメージング解析装置や血流計を用いて、 動物愛護の観点からできるだけ少ない動物で治療効果の有効性を評価する実験を実施しています。


 
《研究費》
年度 消耗品費 機器備品費  旅 費   謝 金   その他 
平成18年度 千円
31,966
千円
1,300
千円
430
千円
1,398
千円
146
平成19年度 36,793 21,929 277 1,295 1,106
平成20年度 48,837 3,065 1,750 5,351 2,571
平成21年度 35,076 8,671 1,063 2,627 2,385



ブレインメディカルサービス(BMS)

平成18年1月に開院した附属枚方病院を中心に、 それまで関西医大の附属病院として中心的役割を果たしてきた滝井病院、香里病院の3病院が京阪沿線にあり、 地域医療に大きな役割を果たすとともに、医学・医療の進歩に貢献しています。平成10年に附属滝井病院8号館1階に設置されたブレインメディカルサービス(BMS)は、神経内科、心療内科、精神神経科、脳神経外科の4科で共同運営されています。 このような診療体制は全国的にも例がなく、本学の特長です。共同運営の利点は、神経における器質的、機能的、 精神的な疾患に総合的に対処できることで、次代に向けた医療の新しいかたちを模索するものとして、大きな注目を集めています。


 附属滝井病院 8号館

 附属枚方病院

より大きな地図で 関西医科大学 を表示

このページのトップへ