抄録:
 精神疾患はヒト特有の病気であり、線条体の腹側に位置し、精神疾患の発症に関わる側坐核は、抗精神病薬の作用部位である。 アミンは、統合失調症のドーパミン仮説、うつ病のモノアミン仮説に示されるように、精神疾患発症に関わる重要な分子である。 2001年、ドーパミンの作用を調節する、β-フェニルエチルアミン、チラミンなどのトレースアミン(=稀少アミン)の受容体(TAAR)が報告された。 TAAR1は、線条体、側坐核に分布する。 「ヒト線条体D-ニューロン」は、報告当初、モノアミン合成を補充するニューロンと考えたが、実際はトレースアミンニューロンである可能性が高い。 線条体の神経新生との関係は重要なテーマである。