微生物・遺伝子検査

 微生物・遺伝子検査室では、微生物学的検査(一般細菌、抗酸菌、真菌)および遺伝子検査(非定型肺炎病原菌、結核菌、クラミジア、耐性遺伝子検出など)を対象として検査を行っています。また、院内感染の早期発見や抗菌薬の適正使用、患者個々に応じた治療薬の選定に貢献し感染症の動向をリアルタイムに配信していく検査室を目指しています。

 迅速検査は、グラム染色(約30分)および抗酸菌染色(約60分)の至急報告やクロストリディウムトキシン、尿中レジオネラ抗原、尿中肺炎球菌抗原、インフルエンザ抗原等を行っています。血液培養(培養ボトル採取検体)は24時間受付を行い、より迅速性を高めています。また、迅速な同定機器(フェニックス:日本ベクトンディッキンソン社)や抗酸菌培養装置(MGIT:日本ベクトンディッキンソン社)、血液培養装置(BactAlart3D:Sysmex社)を導入して検査の迅速化に努めています。

 遺伝子検査はHBV定量、抗酸菌、淋菌、クラミジアなどの検査を行っています。また、real time PCR法により呼吸器感染症原因菌の網羅的迅速感染症診断を行っており、1時間以内に起因菌を同定することが可能です。MRSAやESBLなどの薬剤耐性菌においてもreal time PCR法により迅速な検出を実施しています。

 感染対策としては必要な統計資料の作成を行い、Outbreakの早期発見と発見時にはPCR法を用いた疫学解析を迅速に行い、感染経路を解明しています。その他の検査として、病院内の環境検査や栄養課職員の検便、乳幼児用ミルクの細菌検査等を行っています。