研究課題

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−目次−
1.医薬品の副作用予防策の検討
2.医薬品の合理的使用法の検討
3.患者側の立場からの医薬品適正使用法の検討
今後の展望



  1.医薬品の副作用予防策の検討

 薬剤師がベッドサイドで薬物治療のモニターを行っていると、医薬品の副作用症状ではないかと疑われることが少なからずある。そのような場合、医師に薬剤師の考えを伝え、処方の変更、新たな臨床検査の依頼をすることになるが、その結果医師と共に医薬品の副作用を早期発見し、副作用の重篤化を防止することができれば、医薬品の適正使用に貢献したことになる。
 これまでにも、@高齢者へのエノキサシン投与による幻覚の発現、Aメトロニダゾール長期投与による女性化乳房、B甘草含有製剤併用による偽性アルドステロン症、C肝癌患者のQOLに及ぼすUFTの影響、DアミノレバンENによる低カリウム血症発現などについて、それらの発現メカニズムを考察しながら報告を行ってきた。発現メカニズムを解明することにより、@その患者だけに限らず、今後それらの医薬品を他の患者に使用する上でも注意点として活用し、またAその医薬品の使用上あるいは製剤上の改良点の発見として役立ててきた。こうした面からの副作用予防策の検討を今後とも続けてゆく。
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  2.医薬品の合理的使用法の検討

 医薬品の効果を最大限に引き出すための使用法と使用上の注意点を追求する。これまでにも、インスリン皮下注射時の注射部位は、その都度腹部・背部・上腕などに変更せず、腹部に統一して少しずつ場所をずらして注射することにより安定した効果が得られることを示した。また、副作用の発現率が開発時より市販後に低下していることを示し、市販後におけるプロスペクティブな調査の必要性を説いた。さらに、合理的な医薬品の使用にはTDM(Therapeutic Drug Monitoring)が必須である。この面からの研究も推進してゆく。
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  3.患者側の立場からの医薬品適正使用法の検討

 実際の医薬品使用について、患者側の立場から検討を加えることによって、@より使い易く、Aより確実に薬効発現を期待しうる場合がある。食後投与は30分待つ必要がない。鉄剤服用時における禁茶の不必要性などが既に明らかにされている。消化管撮影以外の造影剤使用時において絶食処置が必要であるかを手始めとしてこの面での研究を行う。
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  今後の展望

 薬剤師の薬物療法への参画による治療レベルの向上をめざし、薬効の向上につながる使用法の追求、副作用の早期発見をめざした研究を行ってゆく。また、患者側からみた医薬品使用と生活制限との関係にも注目し、適正使用の向上をめざした研究を続ける。
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関西医科大学附属病院 薬剤部